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ミシガン州に住んで丸8年。5年前にデトロイト市内に引っ越しました。デトロイトのことや、自分のこと、大好きなマライアのことなどについてのブログです。(photo by nasa)


by dice_michigan
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ビザ・グリーンカード体験談13:思わぬ事態

それから月曜日の面接までの数日間、埼玉や都内にいる友達や姉家族と会ったりしてまったり過ごす予定だったが、3/11の地震のおかげで予定が大幅に狂ってしまった。

本当は地震があった日の昼間、隣駅の図書館に行って勉強でもしようかと思っていたのだが、面倒くさくなって(笑)家でゴロゴロすることに。母は姉の姪っ子が熱を出したとのことで、都内へベビーシッターに出かけていた。定年生活の父と二人で近くのラーメン屋で昼飯を食べ、家に帰って時差ぼけ解消のお昼寝タイムに突入したのだが、地震で家が揺れ始めるとすぐに目が覚めた。

始めは小さかった揺れも、徐々に強くなっていき、本棚から物がバッサバッサと落ち出し、部屋のぶらさがり型蛍光灯もブンブン横殴りに揺れた。台所からもガラスのボトル類が落ちて割れる音が聞こえた。ただただ呆然と布団を抱きしめたまま、1分近く地震がおさまるまで待った。揺れがおさまった後は、ガクガクする足を押さえつつ、床の間の父の様子を伺いに行くと、父も呆気に取られている様子。とりあえずお互いの無事を確認して、TVのニュースを見始めた頃…

「ピンポーン」
「XXさーん!いますかー?」とご近所さんの声。
「安否確認でもしているのか?」と思い出て行くと、「XXさんちの塀が倒れちゃってるよー」と。

外に出ると、うちや近所の御影石の塀が見事に道路に向かって倒れている(鉄筋入りの塀などは大丈夫だったようだ)。見覚えのあるご近所のおじさんおばさん全員が外に出ていて、倒れた石塀の後片付けを手伝ってくれた。

「あらー、Diceちゃん久しぶりねー。大きくなってー」「いえー、ちょうど休みで帰省してましてー」などと世間話をしながらも、少し前に起きた地震にみんなビクビクの様子。片付けている間も余震が何度も襲い、そのたびにおばさん達が不安なため息をついた。おまけにこんな時に限ってどんより嵐でも来そうな空模様。「天災」と呼ぶにふさわしい気味の悪い雰囲気だった。とりあえず邪魔にならない程度に石を側道によけて、家の中へ戻った。

その後のTVでみる東北地方のおぞましい津波の生中継は、この世の末を思わせるものだった。車が、家が、町が、空港が、あっという間に波に飲まれていく…渋滞で身動きのできない車、なんとか農道に逃げ込み波から逃れようとする車、行き場を失い右往左往する車、それらをただ静観することしかできない僕たち。一方、首都圏でも交通機関は全てストップし、帰宅難民たちが都内にあふれ出していた。

母と病気の姪は大丈夫だろうか?都内で仕事をする姉たちは?保育園にいるもう一人の姪と甥は?義兄たちは?心配は尽きなかったが、有線電話も携帯電話も通じず、連絡する手段がなかった。唯一通じていたインターネットでとりあえず母や姉たちにメールを送ると、夜になって姉たちから家族全員無事の連絡を伝えるメールが戻ってきた。姉たちはそれぞれ仕事場から自宅近くまで歩き、保育園で子供をピックアップしてから帰宅したと言う。母ともう一人の姪も姉の自宅にいたので無事だったそう。ほっと肩をなでおろした瞬間だった。

その翌日、仙台のいとこともメールで連絡が着いた。いとこも福島の親戚たちも、全員無事だった。

実は地震が起こった次の週、いとこに会うために仙台へのぶらり一人旅を計画していた。10年以上ぶりのいとことの再会を楽しみにしていたのだが、地震のためにやむなく旅行をキャンセルすることにした。

(続く)
by dice_michigan | 2011-03-31 04:22 | ビザ・グリーンカード