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ミシガン州に住んで丸8年。5年前にデトロイト市内に引っ越しました。デトロイトのことや、自分のこと、大好きなマライアのことなどについてのブログです。(photo by nasa)


by dice_michigan
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溺れそうになった経験

海なし県に住んでいると、なかなか海の恐ろしさを知る機会がないものだ。そんな僕らに教訓を与えるような出来事が起こった。

あれは大学生の時、湘南地区にアパートを借りていたので、ビーチまで気軽に行ける距離だった。夏のある日、地元S玉県から友達数人が遊びに来て、みんなでビーチへ出かけた。その日は風が強く「高波注意」の旗が立っていたが、それでもビーチは大盛況で僕らも驚くほど高い波に興奮してワイワイキャーキャー楽しく海水浴をしていた。そんな時、調子に乗って「ブイがあるところまで泳いでみようよ」と友達二人と沖のほうへ泳ぎだしてみた。ところが、気がつくといつの間にかブイよりも遠くの沖のほうまで流されていて、陸に戻ろうと思っても潮の流れのせいでなかなか戻ることが出来なくなってしまった。

「ちょっとやばくない?」と思い始めた頃にはもうすでに時遅く、高い波を何度もかぶり、海水を飲んで咳き込みパニックに。一瞬にして「溺れてしまう」という恐怖感が僕らを襲った。3人いたうちの一人は何とか自力でブイまで戻り、僕ともう一人の女の子が取り残された。

「苦しい、助けて!」と取り乱す彼女を前に、「大丈夫、落ちついて」となだめようとする僕ですら、自分のことを守るので精一杯。遠くの陸に見える海水浴を楽しむ行楽客たちは、自分たちがどれだけ苦しい思いをしているかなど知る由もなく、そのギャップが印象的だった。ふと目をやると、割と近くに空気ボートに乗った男の人たちが見えた。

「助けてー!!!」と大声で叫び(火事場ならぬ、「溺れ場のバカ力」?)、しばらくして近くまで来てくれた彼らのボートにしがみつくことが出来た。やがて僕らの状況を察知したライフセーバーの人たちがサーフボードに乗ってやってきてくれて、僕らは無事に救助されたのだった。

僕は腰がガクガクだったものの、まだ意識はしっかりとしていた。一方、友達は意識を失う寸前のかなりのショック状態だった。「大丈夫、僕らはまだ生きているんだ」と確かめ合い、気分が落ち着くまで救命所で休ませてもらった。文字通り僕らの命を救ってくれたライフセーバーの人たちとしばらく話をして、溺れそうになったときの合図の仕方(右手を上げる)などを教えてもらった。

それ以来、海で泳ぐのが少し怖くなってしまったが、滅多にない経験ができたのは貴重なことだった。ライフセーバー達の無駄のない肉体美もマジマジと眺めることが出来たし、って話がそれてきたのでこの辺で。
by dice_michigan | 2005-03-18 08:14 | 自分史番外編