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ミシガン州に住んで丸8年。5年前にデトロイト市内に引っ越しました。デトロイトのことや、自分のこと、大好きなマライアのことなどについてのブログです。(photo by nasa)


by dice_michigan
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Glitter (2001)

Glitter (2001)_b0023611_22293875.jpgマライアが長年アイディアを温め続け、ついに製作された映画「Glitter」。混血児として生まれた女の子が、有名DJに見出されて大スターへ登りつめるストーリー。

「マライアの自伝的映画」と呼ばれると、いつもマライアは「私の人生とは全く関係のない、架空の話なのよ」と反論していたが、どう見てもマライアの人生と重なる部分が多いものだった。そういう話は今までにもよくあって、Honeyのプロモビデオでもマライアが年上の悪役男性に監禁されそこから逃げ出すという、まるでその当時のマライアの状況(20歳離れたソニーミュージック社長の夫人として、外出や遊びなどを制限されていたらしい)をなぞったような筋書きにも、「このビデオは私と元夫の関係とは無関係よ」と反論。「#1s」が出た当時は、「これは私のグレイテストヒッツではないわ」と反論。(しかしその後出た「グレイテストヒッツ」は、「#1s」の選曲とほとんど同じ内容。このグレイテストヒッツにどれだけマライアの意向が含まれていたかは疑問だが。)「マライア苦しい反論するなぁ」といつも理解に苦しむ僕だった。

映画の撮影を終え、破格の契約金でレコード会社を移籍し、ファーストシングルがリリースされ、プロモーションに大忙しだったマライア。恐らく映画の出来やファーストシングルの不振、新レーベルとのやりとりなどで、いろいろな不安や悩みがつきまとっていたのだろう。一人でがむしゃらにがんばる生活にも無理が出てきていたのかもしれない。ついでに、Glitterの直後に撮影されたインディー映画Wisegirlsで、言いたい放題・自由奔放なウェイトレスの役柄を熱演したあと、その役柄から完全に抜け切ることが出来なかったのかもしれない。ついにある日、公式ウェブサイトに信じられないほど沈みきった口調で意味不明瞭の内容のメッセージを残し、精神衰弱で入院してしまった。

このメッセージ(正確には2つ残されていた)の正確な内容は覚えていないのだが、「もう何がどうなっているのか分からない。もう限界、一人にして。」みたいな内容だったと思う。報道によると、ホテルの部屋で半狂乱になったマライアが、お母さん同伴で救急病院に連れられていったらしい。結局その後数ヶ月間リハビリと休養のため芸能活動は休止。映画のプロモーションも満足にされなかった上、映画は批評家たちに酷評され、さらに追い討ちをかけるように、映画の公開日直前にワールドトレードセンターのテロ発生。まるでこの映画は失敗する運命にあったかのようだった。

映画自体は、確かに脚本も演出も弱く、「何でやねん」と突っ込みどころ満載の内容だったが、僕のようなファンにとってはマライアのいろいろな表情やファッション、髪型などを楽しむことが出来てすごくおもしろいものだった。音楽のほうは当たり外れの激しい内容だったが、バラード系のNever Too Far Awayとか、Lead the Wayなんかは名曲で、非常にグレードの高いものになっている。その他にも、こういう企画ものでしか実現できないような、Rick Jamesとの共作All My Love(これも意外といい曲!)、Last Night a DJ Saved My Lifeのカバー(なかなかかっこいい)、Don't Stop (Funkin' 4 Jamaicaのカバーで、通好みの出来。クライマックスの高音が爽快)などなど、物珍しい楽しい曲がいろいろと入っている。

良くも悪くもかなり強いインパクトを残すことになったこの映画とサントラ。僕の中では実は結構今でもこの映画を見たりサントラを聴く機会が多い。マライア演じる内気でひたむきなヒロイン役のビリーも、結構共感できる部分が多く、好きなキャラクターだ。
by dice_michigan | 2005-03-05 22:34 | マライア